はじめに
ヤフーと楽天は、いまの日本ではトップ2と言っても良いネット業界のメガIT企業です。同時期に六本木ヒルズにオフィスを構えていた等共通する部分もありますが、カルチャーは大きく異なります。
今日は、そんな2社のカルチャーを実際に働いてみた経験から比較してみたいと思います。
ちなみに外資系企業やIT企業への転職も考えている方は エンワールド 、Geekly(ギークリー)や、リクルートエージェントあたりの転職エージェントを使うこともオススメします。
会社のミッション・ビジョン
ヤフー:
楽天:
それぞれ会社の組織ビジョンがあります。
現在ヤフーは「UPDATE JAPAN」というミッションを掲げています。
また、ミッション・ビジョン・ステートメントも非常に明確です。このビジョンをいつから使っているか記憶がありませんが、ミッションをころころ変える事なく、一貫したポリシーで運用されています。
一方、このミッションが組織の運営にどの程度影響がるかというと、実際には評価制度に使われたり、組織ビジョンになっているわけではありません。上記ミッションは、あくまでも社外向けのヤフーのミションですね。
じゃあ、組織運営のミッションとかビジョンがあるかというと、僕はあんまり聞いたことはありません。初代ヤフー社長の井上さんは「ならずもの」文化を好んでおり、良い意味でベンチャー的な文化を大事にされていました。そして、井上さん自信もエンジニア出身だったので、エンジニアをリスペクトする考え方でした。なので、そのカルチャーがいまも残っています。
ヤフーは、
というのが僕の感想です。
一方の楽天ですが、楽天主義・ブランドコンセプト・成功のコンセプト・楽天グループ企業倫理憲章といくつかのものがあります。
ぱっと見て気づくと思いますが、コンセプトが複数あるってのは非常にわかりづらいです。おそらく会社が成長していく過程で、そのフェイズに合ったコンセプトや憲章が追加されていったんだと思いますが、正直わかりにくいです。
また一昔前は、採用試験で社長が書いた成功のコンセプトの本の感想文を提出するという、THE日本企業的な慣習があったそうです(いまは、やってません)。
あと、評価制度も建前上は成功のコンセプトに基づいて評価する事になっていますが、すくなくとも僕が働いていた部署では、ちゃんと運用されていませんでした。
楽天の組織ビジョンは、
というのが僕の印象です。
体育会系度
ヤフー:
楽天:
現在のヤフーはある程度大きくなって、(営業部門なんかは)体育会系の雰囲気がありますし、新卒エンジニアの割合が多くなってるのである程度は上下関係の厳しさはあると思います。ただ、一般的な企業とくらべると非常にゆすやかだと思います。
一方、楽天は(以前ほどではありませんが)いまだに体育会系の文化が残っています。
ある日、グループ企業内で「楽天モバイル紹介キャンペーン」というものが始まりました。知り合いに楽天モバイルを紹介すると、楽天ポイントがもらえるというグループ社員限定のキャンペーンです。
僕は、あんまり人に自社製品を押し付けるのは好きじゃないので スルーしておいたんですが・・・。社内でキャンペーンの連絡があってから数週間すると、全社員の名前と契約数が書かれたスプレッドシートが全社に公開されました。
僕は、この時点でもまだスルーしてたんですが・・・。しばらくすると、契約ゼロのエンジニアには、マネージャから直接コンタクトがあって「なんでゼロなの?」という声掛けが始まりました。
僕は大急ぎで妻の名前で契約をして事なきを得ました。
ちなみに、これはあくまでも一例です。
マイクロマネージメントかどうか?
ヤフー:
楽天:
ヤフーではマイクロマネージメントするマネージャはだいたい現場から反発を受けてましたね。やっぱりこのあたりは「ならずもの」文化が残っていますし、とくにエンジニアの生産性が重視されています。
楽天の場合は、会社の上層部がマイクロマネージメント好きなので、役職が上がれば上がるほどマイクロマネージメントになっていきます。
コミュニケーションはViberというチャットツールが使われており、ある程度の役職になると深夜とか土日関係なくメッセージが飛んできます。
エンジニアのキャリアパス
ヤフー:
楽天:
これも両社ともに近いものがあります。
基本的にWEB系の企業は人事制度は終身雇用を前提に作られていません。ですので、ある程度のキャリアになると給料は頭打ちになります。
ヤフーだと技術部長ぐらい、楽天だと課長あたりが エンジニアの出世コースの頂点でしょうか?もちろん、その上もありますが、それ以上に行くのは社内でもかなり限られた人材です。
両社ともに、ある程度のところまで出世したら、退職までそこで頑張るか 降格を気にせず移動するか?という感じになります。
こちらも両社で言える事ですが、まわりからの目を気にしなければ ずっと働き続けることを受け入れてくれる良い会社でもあります。
ヤフーでは技術部長から、現場のエンジニアに戻って働き続けているエンジニアを何人も知ってますし、楽天でも役職が下がっても、そこそこのポジションで働き続けているエンジニアを知っています。
さらに上を目指したい(給料を上げたいも含め)場合は、転職という選択肢になります。幸い、ヤフーでも楽天でもそれ内のポジションで勤務年数があれば、転職で困ることはないでしょう。
英語利用頻度
ヤフー:
楽天:
以外かもしれませんが、日本のヤフーで日常的に英語を使うエンジニアはほぼいません。まだUSのヤフーが元気だった頃は、広告等の基礎技術を導入するためにUSのエンジニアと連携したり、サービスのローカライズをしていたので、そういう部署で働いている場合は英語を使う機会がありました。ただ、現在はそういう機会はほとんどありません。
一方、楽天の場合、エンジニアチームの半分がノンジャパニーズという事は珍しくありません。ですので、ドキュメントもミーティングも英語が標準です。あと毎週月曜日のAM8:00から行われる全社員出席必須の全社会もオール英語です。
ただし、欧米圏のエンジニアはそんなに多くないので、ネイティブ英語スピーカーは実は少ないです。日本人は日本語英語って感じの英語が多いですね。英語の練習にはすごく良い環境だと思います。
働く環境
ヤフー:
楽天:
ヤフーはコロナ禍の前から、フレックスがありリモート勤務もOKでした。
以前はリモート勤務には週一回という制限がありましたが、現在はそれもなくなりフルリモートOKになっています。
その点楽天はフレックスはありませんし、コロナ禍がおさまったら、たぶんフル出社に戻ると思います。
まとめ
それぞれの会社を一言で表すと
一方、