はじめに
今日は実際にAWSで働いていた経験から「AWSに転職する前にやっておくべき事と注意点」という事でブログを書いていこうと思います。
ここでいうAWSは、米国のAWSではなく、アマゾンウェブサービスジャパン株式会社の事です。
また、このブログは基本的にエンジニア向けに書いてますので、エンジニア系職種(サポートエンジニアやソリューションアーキテクト等)を対象にしています。
まずは、入社後のイメージを持っていただくために、入社してから次の契約までを簡単に説明します。
入社後 最初の三ヶ月
通常、どの部署でも
サポート系の部署であれば、各種ツールの使い方を徹底的に叩き込まれて、メンターに指導されながらチケットの対応を覚えます。
トレーニングの部署であれば、基本的なトレーニングを覚えていきます。
部署にもよりますが、大抵の部署はこの「ランプアップ期間」の卒業条件を課していて、社内プレゼンや、実績を元に評価されます。
僕が知る限り、これを通過できなかったからといってクビになったりはしませんが、クリアしてないと肩身が狭いのは間違いありません。
最初の三ヶ月と次の契約更新まで
これは人それぞれ違うんですが、大抵は4年契約になっていて、入社時はサインインボーナスといって、最初の4年間は通常の年俸とは別に特別ボーナスが付いています。
4年後に昇給していないと実質的な手取りが下がってしまいますので、
もちろん優秀な人は、4年たたずとも昇級可能です。
入社前にやっておくべき事
さて、上記を前提に AWSライフを快適に勧めるために、入社までにやっておいた方が良い事を書いていきます。
(主にインフラを中心とした)技術的な知識の習得
クラウドと言っても結局はデータセンターにネットワークが引かれていて、サーバが置いてあってそこにソフトウェアをインストールして運用しています。クラウドの知識以前に基本的な技術に関する知識がなければ話になりません。とくにインフラ周りの知識が必要です。
また、そこで運用や監視をしていた経験があると、そのノウハウが非常に重要になります。
入社時は、ほとんどの部署でAWSの知識より こういった基本的な技術の知識の方が重要視されます。
基本的な技術の知識があれば、AWSはあとから学習できますが、その逆は難しいですからね。
基本的なAWSの使い方の習得
ただ、入社した後にAWS の知識がないと苦しむのは確かです(僕がそのパターンでした)。ですのでAWSの基本的な知識はできるだけ勉強しておきましょう。
AWSはかなり多くの技術があるのですべてを理解する必要はありません。EC2/VPC/RDSあたりがまずは基本です。多くのAWSサービスも、このあたりの技術で実装されています。それに加えて最近需要が伸びているECS/Fargete/API Gateway/Lambdaあたりも触っておくと良いでしょう。
AWSの資格の勉強
僕も必死で勉強して SA PRO とか DevOps系の資格を取りました。
このあたりは、たとえ AWS に就職しなくても 転職活動には有利ですので取っておいて損はありません。
英語の勉強
英語に関しても、コンサル系の一部職種以外は間違いなく必要になりますのでやっておきましょう。
セールス系の職種は本国のエンジニアとお客さん含めて会議したりするのでリスニング/スピーキングともに必要です。サポート系であれば読み書きができれば基本的にOKです。
少なくとも TOEIC 800点程度の知識は欲しいところです。(とくに入社時に制限はありません)
カスタマーフェイシングの準備
ソリューションアーキテークトやエンタープライズサポートは、基本的に担当の顧客がつくので、お客様対応がメインの仕事になってきます。もしあなたがそういった経験が無いのであれば事前にノウハウ本等を読んで準備しておきましょう。
ちなみに、中途の場合はできて当然と思われるので、誰も教えてくれませんのでそのつもりで。
得意分野を持つ
AWSはかなり幅広い種類のサービスを提供しているので、全てに精通するのは難しいです。ですので、
たとえばDBが得意とか、マシンラーニングが得意とかですね。あとは特定の技術だけではなく、クラウドマイグレーションが得意とか、マイクロサービス化が得意というのでも良いと思います。ゲーム業界が得意とか金融系が得意というのでも良いと思います。何か一つ得意分野があると、周りとの連携プレーがとりやすいので仕事がしやすくなります。
Our Leadership Principles (OLP) を理解する
略してオーエルピーです。Amazon ( AWS 含む)は、採用から評価まで、この OLP を基準にして行われています。OPL を理解することは AWS の社員にとって非常に重要な事です。入社前に内容を理解しておきましょう。
「amazon OLP」等のキーワードで検索して内容を確認しておいてください。
ちなみに、一番重要な OLP は Customer Obsession です。
最近 OLP が二つ増えていますので、こちらも読んでおきましょう。
「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」を読む
これも重要な内容です。良くも悪くもAWSは、この人の思想が色濃く反映されています。
この中にもリーダーシッププリンシパルはでてきますし、この本の中で書かれているナラティブは実際に社内の会議等で使われている形式です。
転職後の仕事のやり方をイメージする上ではとても参考になります。
ジェフ・ベゾス果てなき野望 アマゾンを創った無敵の奇才経営者 [ ブラッド・ストーン ]
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注意点
外資系だからクビになる?
これは、結構気になる方がいると思います。が、私の知る限り技術系の職種でクビになったというのは聞いた事がありません。(純粋な営業は別です)
いまは会社としても成長期なので、人手不足で困っている状況です。相当なことがなければクビにならないと思います。
ただし、発動してないだけで、下位何パーセントはクビ対象というルールはあるようなので、最悪のパターンがあるという事は理解しておきましょう。
四六時中 チャットが入ってくる
担当のお客さんとは Slack で繋がっていることが多いです。簡単な質問などはまともな時間にしか連絡がきませんが、トラブったりしていると夜中でも週末でも連絡が入ってきます。
また、社内では Chime というツールが使われています。大口のお客さんの担当だったりすると、本国からもレポートを求められたりするんですが、その場合はアメリカ時間に連絡がきます。(もちろん気を使ってくれますが)こっちの営業時間じゃない場合が多いです。
四六時中 Chime で連絡がくる事を皮肉った替え歌を Youtube に上げている人がいました。少し前に社内で流行ったのでリンクを付けておきます。
米国時間に合わせると生活が不規則になる。
特にアメリカ人に週末まで(金曜日の夕方までに)なにかやらせようと思うと、日本時間の土曜日の朝方まで仕事しなければいけないので、その場合は金曜日は徹夜をして仕事をすることになります。
また、急ぎの要件で朝一から仕事を依頼するような場合、アメリカの始業時間(AM 10:00)は日本のAM 1:00くらい(サマータイムだと1時間ずれるけど)なので、そこまで待機して担当が出社する時間を見計らってチャットでプッシュする事もあります。(こんな事する人が多いんで 上記の Youtube がネタになるんでしょうね)
この辺りは結構辛いとこですね。
マネージャも新入りの場合が多いので頼れない
なにか相談したい事があると、普通は「マネージャに相談してみよう」となると思いますが、かなりの勢いで組織が大きくなっている会社なので、マネージャも新入りという場合が多いです。その場合は、下手にマネージャに相談してしまうと、とんでもないアドバイスをされて、かえって事がややこしくなる場合があります。
いまはコロナの影響で基本リモート勤務なので、特に苦労するところかもしれません。
まとめ
今日は、僕の経験から「AWSに転職する前にやっておくべき事と注意点」という内容で書いてみました。
最先端の技術が好きで、人とコミュニケーションを取る事が好きであれば すごく楽しめる仕事だと思います。
AWS に関して他にもこんな記事を書いていますので、是非見ていってください。
【元社員が解説】AWSで働くエンジニアの「年収」と「RSU」は?
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それでは、また!!!