はじめに
楽天は日経のITメガベンチャーでは一二を争うトップ企業です。
その中でも楽天は給料が高いことで有名です。
僕は、数年間 楽天 で働いていましたが、思うところがあり退職しました。
今回は、僕がなぜ人気企業である楽天を辞めようと思ったかを書いていこうと思います。
楽天 で働く事に興味がある方は、参考にしていただければと思います。
また、次の転職活動の面接の際に、転職理由をどのように説明したかも書いています。簡単に言うと「本音と建前をどう使い分けたか?」ですね。現在転職活動中で、この辺で悩んでいる方にも参考になるかと思います。
ちなみに外資系企業やIT企業への転職も考えている方は エンワールド 、Geekly(ギークリー)や、リクルートエージェントあたりの転職エージェントを使うこともオススメします。
それでは、いってみましょう。
ちょっとした紹介
まずは、僕がどんな仕事をして、どのぐらい給料をもらっていたか?等を軽く紹介します。
僕が実際に努めていたのは、二子玉川にある楽天クリムゾンハウスと呼ばれるビルです。ただコロナ禍後の転職だったため、ほとんどがリモートワークでした。
どんな仕事をしていたの?
僕は楽天市場という、いわゆるECの楽天を開発・運用している部署でエンジニアのマネージャとして働いていました。楽天市場の部署は大きく以下にわかれています。
- ショッパーサイド
- 楽天で買物をする一般ユーザ向けのシステムです。トップページ、検索、商品詳細、買い物かご等のシステムに分かれていて、いくつかの部署で分担して運営していまあす。
- ストアサイド
- 楽天に出品する店舗向けのシステムです。商品入稿システムや受注管理システム等に分かれています
実際には上記2つを、いくつかの部署に分けて運営しています。
役割分担について
僕は楽天のシステム開発をしていたのですが、楽天市場は以下のように役割が別れています。
- 営業
- 楽天ではECC(ECコンサルタント)と呼ばれています。
- 初期の店舗開設・商品設定・運用のフェイズごとに、前衛・中衛・後衛と呼ばれるチームに分かれています。
- 数年間働いていましたが、営業の人と実際にコミュニケーションを取ったことは一度もありませんでした。
- ビジネス企画
- 営業と開発をつなぐ存在の人たちです。
- 楽天市場は関係者が多いため、実際には情報の中継役といった感じの人達です。
- デザイン
- デザインの部署が一応ありましたが、デザインの外注会社みたいな関わり方でした。
- 開発・運用
- ここが僕が働いていた部署です。
- インフラ
- ここは楽天市場含めたECのインフラを見てくれる部隊が別にいて、サーバの初期設定等はこの部隊がやってくれていました。
- ちなみに楽天では開発エンジニアは root 権限をもらえません。ですので設定に非常に手間がかかります。
お給料は、どのくらいもらっていたのか?
これは書かないと面白くないんで少し書いておきます
すくなくとも年収は 1,000万円以上ありました。それに加え、SO(ストックオプション)やちょっぴりの業績インセンティブ(年間数十万)がありました。
詳しくは書きませんが日系企業でこれだけ給料が良いIT系企業は、楽天かファーストリテイリングくらいじゃないでしょうか?
詳しい給料について知りたいかたは、こちらをどうぞ。
働いて良かった事
正直、働いていて楽しかった事そんなにないんですが、いくつか書いていきます。
英語を使う機会が多い(かつ初心者に優しい)
楽天の公用語は英語です。それだけ聞くと外資系企業みたいなイメージをされるかもしれませんが、そこまでハードルは高くありません。
まず、もともとが日本企業のため、そもそもほとんどが日本人です。さらに英語が公用語になる前から働いていた人も多いので、実際に英語がペラペラな人ばかりではありません。
そのため、楽天で使われている英語は、いわゆる日本語英語が標準です。
偉い人でも、発音がもろカタカナの人も結構います。
また楽天で働くノンジャパニーズの人は、親日の人が多いので カタカナ英語でも十分聞き取ってくれますし、日本語が話せる人も結構います。
英語を勉強したいけど外資系に入ってネイティブに囲まれるのはちょっとキツいな方にとっては、すごく良い環境だと思います。
残業時間が外資並みに少ない
これは入ってから気づいたんですが、残業している人が少ないです。ノンジャパニーズが多く在籍している影響ですね。マネージャでも残業0時間の人もいて、残業を評価する文化は皆無といっていいと思います。
日本で最大のECサイトを見る事ができた。
もちろん外資も入れれば Amzon がナンバーワンなんですが、日経企業では楽天がダントツトップ企業です。そんなECサイトのシステムがどんなもので、開発体制やシステムの大きさ(たとえば、どんな規模のDBで運用しているか?等)を知ることができたのは、エンジニアとしての経験値が上がったと思います。
辞めようと思ったきっかけ
いよいよ、本題に近づいていこうと思います。実際には、いろいろな条件が重なって「辞めよっかな?」となったので、どれが一番の原因なのか自分の中でも曖昧です。それでも、この辺りがトリガーだな?という事柄があるので書いていきます。
楽天の軍隊カルチャーが合わなかった
いわゆる軍隊式のカルチャーですね。ノンジャパニーズが増えてきて薄れているとはいえ、僕が働いていた部署は、楽天ど真ん中の楽天市場だったので色濃く残っていました。また現場のエンジニアよりもマネージメントの上の階層にいくほど楽転色が濃くなっていきます。
たとえば、
ある時、データセンターでNWスイッチが故障して楽天市場に障害が起こった事がありました。で、その週の金曜日にマネージャ全員が呼ばれて「エンジニアは来週から週5で出社」という指示が出されました。コロナ禍なのにですよ・・・。もちろん基礎疾患があるとか、高齢の家族と暮らしているエンジニアは免除されましたが。きっと偉い人のだれかが「原因はコミュニケーション不足です」とかなんとか言ったんでしょうね。NWスイッチの故障は、アプリケーションエンジニアが出社したところでなんの解決にもならないんですが、数百人規模の部署のマネージャでも、三木谷さんから号令がかかると絶対服従だったようです。
楽天のカルチャーについてこちらでも詳しく説明していますので参考にどうぞ。
ガチのウォーターフォール開発が合わなかった
楽天市場の開発は「絶対にスケジュールを伸ばしてはいけない」かつ「絶対に予算をオーバーしてはいけない」というものでした。進捗はマイクロマネージメントされていて、開発はウォーターフォールで行われていました。
それに対して現場は、工数の見積もりを2倍とか3倍にして上司に報告して、絶対に遅れる事はないスケジュールを作っていました。
僕はウォーターフォールを毛嫌いしているわけではないのですが・・・。事業会社にいながら、ビジネスや企画とのディスカッションがなく、言われたものを淡々と作っているだけの開発が面白くなかったです。
軽い気持ちで転職サイトの経歴を更新
最初は息抜きのつもりで、それまで登録していた転職サイトの経歴を更新しました。「今の会社辞めても俺には行く先がある」と思うことで心の余裕が欲しかったのかもしれません。
ただ、企業から直接連絡があったりして思った以上に反応が良く・・・。そのうちに「俺、転職した方が幸せかも」と思うようになりました。
そうなると「どうやって転職するか?」を真剣に考えるようになりますよね。こんな感じで僕は、本格的に転職活動を始めることにしました。
転職活動で使っていた転職理由
では、実際に転職活動の時に転職理由として前述の話をしたかというと、そんな事はありません。「軽い気持ちで転職サイトに登録したら、以外と反応良かったんで」とか言えないですよね・・・。
そこで、職務経歴書を更新しながら、一度自分のキャリアの振り返りをしました。
新卒の頃にエンジニアになろうと思った経緯や、転職先で何を求めて仕事をしていたのか等を思い出しながら自分自身で確認する作業を行いました。そこで思い出したことは、自分は「ものづくり」と「人から感謝される」事が好きだからエンジニアになったという事でした。で、おそらく 楽天 にいてもその両方の欲求が満たされる事はないって事に気づきました。
自分の中で改めてキャリアを考え直してみて、以下の結論に達しました。
俺は言われたことを ただこなすだけの開発ではなく、プロダクトを育てていく開発がしたい。
これに気づいた時に、転職する事を本当に決意しました。
そして、転職活動の際は、上記の気持ちをこんな感じで説明していました。
転職理由1:もっと積極的にプロダクトの成長に関わる仕事がしたい
事業会社でプロダクトに関わりたかったが、実際には受発注的な仕事のフローになっており、開発のやり方が合わなかった。もっとビジネスや企画含めディスカッションしたり、細かい単位でリリースできるアジャイルな開発がしたい。
転職理由2:企業カルチャーが合わなかった
やっぱり、ここが合わないと後々自分が苦労するのではっきり説明しました。右向け右のカルチャーで、とりあえず上司の支持に従えばOKというカルチャーは僕には合いませんでした。ここは、面接時にしつこく確認したつもりだったんですが、結局面接官は企業の悪い部分は隠して面接してたんですよね。こういう「カルチャーが残ってるなら言っといてほしかったなー」というのが正直な気持ちでした。
いまから振り返って感じる本当の転職理由
ここからは、転職活動を終えて次のキャリアに進んだ後に 自分自身を振り返ってみて感じた心境を書いていこうと思います。
もちろん、面接の時に話していた転職理由も嘘ではありません。ただ、いまから振り返ってみて本当にそれだけだったかと言われると、それもなんとなく違う気がしています・・・。
もう一度あの頃の事を振り返ってみて、自分自身も気づいてなかった転職理由があったと思うのでちょっと書いてみようと思います。
結局は上司と合わなかった
最後に僕の上司になったのが、前述の執行役員だったんですが、彼とはまったく合わなかったんですよね。「部下の前で他の部下の悪口言う」「部下を信用せずマイクロマネージメントする」とか「戦略とか計画がない」等、僕の考えるマネージャとはかけ離れてる人でした。そのくせ軍隊式カルチャーが好きで「三木谷さんの支持は絶対」的なとこがあって「イエスマンの戦闘員」タイプの部下が好きでした。部署の移動も考えたんですが、他の執行役員も同じようなタイプだったんで、「これが楽天カルチャーだな」と思って転職を決意しました。
抑圧された組織は常にネガティブな感情を抱えている
いま思い出すと、ネガティブキャンペーンをするタイプが多かったですね。基本体育会系カルチャーなんで、現場は常に不満を抱えています。なので、ちょっとした事で人の悪口を言ったり否定するタイプが多かった気がします。あとは、ここまで本音と建前が分かれてる組織は初めてでしたね。抑圧された組織は、表面では会社や上司に合わせて、本音や不満を部下や同僚のネガティブキャンペーンで発散するという流れになるんだなと理解しました。
もっと仕事の本質的な部分でやりがいを見いだせていれば、それも乗り越えようとしたかもしれませんが・・・。今となっては入社する前に、ちゃんと説明しといて欲しかったなと思う部分でもあります。
でも良かった事は、「俺はこんなことしてる人間じゃない。もっと自分が活躍できる仕事があるはずだ」と思えたのは、当時の自分自身を褒めてあげたいです。その時に惰性で働き続けていたら、自己肯定感が低いまま、腐った人間になってたかもしれません。
後悔している事
次は、転職して公開している事を書いていこうと思います。これは、この記事を読んで頂いている皆さんも気になるんじゃないでしょうか? すでに吹っ切れているものもあれば、いまだに心に引っかかっているものもありますのでいくつか書いていきます。
もっと、自分がやるべき仕事に集中すべきだった。
実際に、辞めたことはまったく後悔してません。かといって楽天に転職したことも後悔してないです。いろんな会社で働く事が自分にとって良い経験になったと思ってます。
ただ、楽天にいたときの働き方がちょっと違ったのかな?と思う事があります。その一つがこれです。どういう事かと言うと・・・。
僕は、結構欲張りなタイプで 「システムの詳細も理解したい」「現場の問題も解決したい」「上司のリクエストにも答えたい」「自分が思う戦略を実現したい」等、やりたい事がたくさんありました。
でも、今振り返って思う事は さすがに全部は無理だったなと・・・。
最初の半年は週末も仕事するのが普通でした。それは、早く仕事を覚えたかったし、早く成果を出したかったからです。でも、いま考えるとそれが逆効果だったなと思います。本当に成果を出さなければいけないタスクに集中できてなかったなと今は感じます。
やっぱりサラリーマンなので、上司からのリクエストは重要です。で、僕が最終的にやりたかったし得意な事と、上司からのリクエストって そんなにずれてなかったんですよね。
なので、「エンジニアとしてのエゴ」とか「現場を助けたいおせっかい心」とかを捨てて、もっとドライにやるべき事にフォーカスしていれば、もっと楽に成果を出せていたと思います。
楽天 で働きたいと思っている皆さんへ
ここからは、これから 楽天 で働きたいと思っている(かもしれない)皆さんへ、僕なりにアドバイスです。
楽天には、従わないといけないルールと無視して良いルールがある
基本的に、僕は本音と建前を使い分けるのが苦手なタイプです。なので、そういう人たちの気持ちがわからなかったんですよね。上司が言うことは全部まじめに聞いていましたし、部下の不平も親身になって聞いてあげていました。
でも、この会社ではそんな必要はなかったんです。もっと言うと、そんな事は はなから期待されてなかったんです。それに気づいたエピソードがあります。
楽天という会社はとにかく規則が多くて、「一方通行の廊下」とか「上り専用の階段と、下り専用の階段」とか、「提出しなければいけない書類」等とにかくたくさんのルールがあります。コロナ禍なので普段はリモートで仕事をしているんですが、前述の社長の一言でオフィスに出社する事になりました。そのときに、「一方通行の廊下」とか「上り専用の階段」を守ってる人が少ないって事に気づいたんです。よく考えてみれば、部門の全員がMLに週報を送るルールになっているんですが、そのMLに週報を送っているのは新人だけだったり、全員出席必須の朝礼の内容を上司が知らなかったり・・・。
楽天でルールとか規則と言われているものは、完璧に従う必要はないんです。もっと言うと「無視して良いルールと、従わなければいけないルールを見極める」事こそ楽天で働く上で必要なスキルだったんです。
楽天では 上司の支持は3回言われてから行動に移せば良かったし、部下の不平も真面目に聞かなくてよかったんです。上司は思いつきで指示するんだけど、部下が全部従うとは思ってないんですよね。部下は部下で、その場で気持良くさせてあげれば、その問題が根本的に解決できなくても仕方ない事はわかっているんです。
そういう使い分けに、もっと早く気付けば良かったなと思います。
僕が 楽天 に転職するためにやったこと
いろいろ大変な楽天 ですが、給与が高いので転職に興味がある方も多いと思います。僕が転職するためにやった事を以下にまとめていますので参考にしてください。
ちなみに楽天への転職はエージェントをうまく使う事が効果的です。おすすめのエージェントはこのあたりです。
Geekly(ギークリー)、エンワールド 、リクルートダイレクトスカウト 、リクルートエージェント
で、楽天 で働いてよかった?
僕としては、楽天 で働けた事が自分の経験になっていると思います。ずっと自由な雰囲気の会社に努めていたら、視野が狭くなってたと思います。楽天で働いていなかったら本音と建前が分かれている人たちの気持ちがわからずにいたと思います。
あとは、楽天市場のシステムを見たことがエンジニアとしての経験にもなっていると思います。おそらく日本で一番トランザクションをさばいているECを経験してますからね。他社のシステムを見てもビビることは無いと思います。
後は英語環境ですね。今後外資にステップアップしたいけど、英語に不安がある方は 一度楽天で働いてみると良い経験になると思います。
楽天の面接について、こちらで詳しく説明しています。参考にしてください。
オススメの転職エージェント
ここで、楽天への転職を考えている方向けにオススメの転職エージェントを紹介させていただきます。
エンワールド
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まずオススメするのはエンワールド です。特徴は以下です。
外資系転職専門の強み
え?楽天って日系企業だよね?という方も多いと思います。ただ実際には半分以上がノンジャパニーズのエンジニアで、日経専門の転職エージェントよりもこういった外資も取り扱うエージェントのほうがノウハウを持っていたりします。また楽天を受けるかたは平行して外資系企業も検討されるのではないでしょうか? 実は、日系と外資で経歴書の書き方が違ったり面接対策が違ったりします。たとえば、日系の場合は経歴に関してかなり細かく網羅的に書くのが良しとされていますが、外資系の場合は短く簡潔に書くほうが好まれます。そんな外資転職の特徴も エンワールド であればノウハウがありますのでとても頼りになります。
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まとめ
今回は、僕がなぜ 楽天 を辞めたのか? 楽天 で働いていて良かった所、悪かった所。次の転職活動での転職理由等を説明してみました。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
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