元 AWS 社員による AWS および Amazon 社内用語の解説

AWS

世の中には沢山の会社がありますが、社内用語って必ずありますよね。

社内用語は、会社毎の個性が反映されていて面白いなと思っています。

私はエンジニアとして AWS やヤフーや楽天等で働いた経験があります。

その中でもAWSは際立って個性的な社内用語や文化を持っていると感じました。

今日は、そんなAWS で使われている社内用語を紹介していきたいと思います。(ちょっとふざけた説明もあります)

AWS に興味がある方は、一通り目を通していただくと「へー」とか「なるほど」と感じてもらえる内容です(中にはまったく参考にならない解説もありますがクスっと笑ってもらえると嬉しいです)。

  1. AWS および Amazon 社内用語
    1. あ行
          1. IC(あいしー)
          2. アカウントチーム(あかうんとちーむ)
          3. Amazonian(あまぞにあん)
          4. RSU(あーるえすゆー)
          5. 99.9999999% (いれぶんないん)
          6. EDP(いーでぃーぴー)
          7. インボイス(いんぼいす)
          8. AM(えーえむ)
          9. AZ(えーじー)
          10. SA(えすえー)
          11. HND(えっちえぬでぃー or はねだ)
          12. OLP(おーえるぴー)
          13. Ownership (おーなーしっぷ)
          14. オンボーディング(おんぼーでぃんぐ)
    2. か行
          1. カスタマーオブセッション(かすたまーおぶっせっしょん)
          2. 期待値調整(きたいちちょうせい)
          3. クラウドジャーニー(くらうどじゃーにー)
          4. コンシェルジュ(こんしぇるじゅ)
    3. さ行
          1. サイニングボーナス(さいにんぐぼーなす)
          2. CoE(しーおーいー)
          3. シフトアンドリフト(しふとあんどりふと)
          4. シャドーイング(しゃどーいんぐ)
          5. シンク(しんく)
          6. Still Day One (すでぃるでいわん)
          7. ジャスティフィケーション(じゃすてぃふぃけーしょん)
          8. 責任共有モデル
          9. sev1(せぶわん)
    4. た行
          1. TAM(たむ)
          2. チェックライド(ちぇっくらいど)
          3. Chime(ちゃいむ)
    5. な行
          1. ナラティブ(ならてぃぶ)
    6. は行
          1. バーレイザー(ばーれいざー)
          2. PIP(ぴーあいぴー)
          3. PS(ぴーえす)
          4. BYOD(びーわいおーでぃー)
          5. フライホイール(ふらいほいーる)
    7. や行
          1. ユースケース(ゆーすけーす)
          2. UTC(ゆーてぃーしー)
    8. ら行
          1. リージョン
    9. わ行
          1. 1way door 2way door(わんうぇいどあ つーうぇいどあ)
          2. 1on1(わんおんわん)
  2. オススメの転職エージェント
    1. エンワールド
    2. Geekly(ギークリー)
    3. リクルートダイレクトスカウト
  3. その他 AWS の面接や転職に関する情報

AWS および Amazon 社内用語

あ行

IC(あいしー)

Individual Contributor(インディペンデントコントリビューター) の略です。

いわゆる一般社員のことなんですが、AWS (含む外資系企業)社内では個人で成果を出せる社員という意味で使われています。

日本企業は組織で成果を出すのに対して、外資系企業の社員は会社に依存せず個人商店的に働けるという、変な外資系企業プライドが反映された言葉です。

アカウントチーム(あかうんとちーむ)

特定の企業を担当するメンバーをまとめてこう言います。

基本は営業(AM)・技術営業(SA)です。

もしエンタープライズサポートに加入している顧客であれば上記にサポート担当(TAM)が付きます。

Amazonian(あまぞにあん)

AWS / Amazon 社員の事です。

相当な社畜しか使わないワードです。

RSU(あーるえすゆー)

会社から付与される株の事です。

一般的には4年で年収1年分のRSUが付与されます。

Amazon や AWS では、これで FIRE できるぐらいの資産をもった社員が沢山います。

99.9999999% (いれぶんないん)

S3 の耐久性ですね。

EDP(いーでぃーぴー)

Enterprise Discount Program(えんたーぷらいずでぃすかうんとぷろぐらむ)の略です。

年間1億円以上の支払いがある場合は、これに入ったほうがお得になります。

ただし、エンタープライズサポートというおまけがついてきて必須で契約しなければいけないので余計な支払いが増える事になります。

支払い自体はプラマイゼロぐらいなので、エンタープライズサポートがただで使えると思うぐらいちょうど良いかもしれません。

最近では、エンタープライズサポートなしのスタートアップ向け EDP というものもあります。

インボイス(いんぼいす)

請求書の事です。

EDP のインボイスはなぜか手で発行されているので、トラブルや間違いの元です。

AM(えーえむ)

Account Manager の略です。

マネージャとついてますが管理者ではありません。

この場合は担当営業くらいの意味です。

AZ(えーじー)

リージョン内に存在するデータセンター群の事です。

1AZが1つのデータセンターだと思っている方もいるかもしれませんが、1AZは必ず複数のデータセンターで構成されています。

たまに「AZをまたぐとネットワークのレイテンシーが落ちる」とクレームを言ってくるお客さんがいますが、物理的に離れているので当たり前です。

SA(えすえー)

Solution Architect (そりゅーしょんあーきてくと)の略です。

要するに技術営業ですね。

AWSのイベントで登壇するのは、この人達です。

実際には常に新技術を理解しておく必要があり、一番ハードな仕事でもあります。

AWS自体の技術もどんどん増えているので、以前より質が落ちているのは ある意味必然といえます。

HND(えっちえぬでぃー or はねだ)

AWS ではオフィス名を最寄りの空港名で表します。

なのでHND(羽田)は東京オフィスの意味です。

サンフランシスコは SFO で大阪は KIX です。

OLP(おーえるぴー)

Our Leadership Principlesの略です。Amazon および AWS の社訓のようなものです。

以前、先輩社員に「OLPって社訓みたいなものですよね」と話したら「違います。行動規範です」とどうでもいい否定のされ方をしました。

Ownership (おーなーしっぷ)

リーダーシッププリンシプルの中の一つです。

肉食系の営業が、アカウントチーム内のSAやTAMを非難する時に「あいつは Ownership が足りない」という感じで使います。

オンボーディング(おんぼーでぃんぐ)

入社後の勉強期間のことです。どの職種でも通常は三ヶ月のオンボーディング期間があります。

か行

カスタマーオブセッション(かすたまーおぶっせっしょん)

これもOLPの中の一つです。

「執拗にお客様の事を考えて行動せよ」という意味です。

OLPの中で一番重要とされています。

ベゾスはお客様の事よりも、お金の事をよく考えている気がします。

期待値調整(きたいちちょうせい)

お客様が実際以上に AWS に期待しないように理解してもらう時に使います。責任共有モデルが良い例ですね。

社内では、上司からの無茶振りをブロックするために「忙しいフリをして期待値を調整する」等とも使います。

クラウドジャーニー(くらうどじゃーにー)

お客様がオンプレからクラウドに移行する長い道のりを旅として表現しています。

クラウド使えるようになるのは「そんなに楽じゃないからね」という意味も含まれています。

あと最後にジャーニーをつけるとなんかカッコイイので〇〇ジャーニーってすぐ使う人もいます。

コンシェルジュ(こんしぇるじゅ)

EDPを契約しているお客様専用のカスタマーサポート部隊です。

AWS ではテクサポと別にカスタマーサポートがあり、そこでアカウントや支払いに対するサポートをしています。

ほとんどが女性のメンバーなので悪い情報がすぐ共有されるため、細心の注意をもってコミュニケーションする事が重要です。

さ行

サイニングボーナス(さいにんぐぼーなす)

転職祝い的にもらえるボーナスです。

4年間頑張れば年収1年分のRSUがもらえます。

これがないと4年間持たないという意味でもあります。

CoE(しーおーいー)

Center of Excellence(せんたーおぶえくせれんす)の略です。

顧客サイドで中心になって AWS を推進してくれる人の事です。

要は、AWS にとって都合の良い担当者です。

シフトアンドリフト(しふとあんどりふと)

クラウドに対応するために、クラウドネイティブな実装に変更してから対応するのではなく、オンプレのシステムをそのまままクラウド化する事を言います。

「とりあえず細かいこと考えずに AWS 使ってみてください」というのをかっこよく言いたい時に使います。

シャドーイング(しゃどーいんぐ)

入社3ヶ月以内のオンボーディングの時期に、先輩社員に同行して客先に行く事をいいます。

シンク(しんく)

Sync の事で。「共有」あるいは「共有する」という意味です。

お客様からの要望に関して「後ほど共有させてください」みたいな時に「後ほどシンクさせてください」という感じで使います。

Still Day One (すでぃるでいわん)

ただ単に、Day One とも言います。

「常に入社初日の気持ちでいましょう」という意味です。

AWS では長く在籍するとネームプレートの色が変わっていきます。

Facebook とか Linkedin に新しいネームプレートの写真を載せて「Still Day One」とコメントするのがカッコイイと思っている人たちが一定層います。

ジャスティフィケーション(じゃすてぃふぃけーしょん)

Justification の事です。正当化とか正当性でしょうか?

本国のエンジニアに何かを頼む時に、なぜかこれが必要になります。

責任共有モデル

AWS がお客様に期待値を調整するための説明です。

sev1(せぶわん)

社内でインシデントが発生した際に、緊急度を表す用語です。

sev5からsev1まであり、sev1が一番緊急度が高いです。

sev1でインシデントチケットを切ると、ベソスの電話にも通知が行きます。

た行

TAM(たむ)

Technical Account Manager の略です。

アカウントチームで一番仕事をしていない人たちです。

チェックライド(ちぇっくらいど)

入社3ヶ月のトレーニング期間であるオンボーディングを卒業するためのイベントです。

古株の社員ほど新卒をマウントするための機会として活用しています。

Chime(ちゃいむ)

Amazon 社員しか使っていないコミュニケーションツールです。

な行

ナラティブ(ならてぃぶ)

AWS 社内ではパワポは使われず、ナラティブと呼ばれる独自形式で資料が作成されています。

上司を説得する際に、パワポの色やデザインでごまかせないのが辛いところです。

は行

バーレイザー(ばーれいざー)

面接の際に、Amazonian として相応しいかどうかを判断する担当の人です。

社畜の中の社畜です。

PIP(ぴーあいぴー)

Performance Improvement Program (= 成果改善計画)の略です。

実態は退職に追い込むための仕組みです。

外資系企業ならどこでもあります。

これをやるためには上司も相当なパワーを要するので  AWS では見たことありません。

通常は、この後に退職勧奨になります。

そうなると会社からお金をもらって大手を振って転職活動ができるので、結果的に勝ち組かもしれません。

PS(ぴーえす)

Professional Service(コンサル部門)の略と、Premium Support(テクサポ部門)の略として使います。

文脈によってどっちの意味で使っているのか理解する必要があります。

BYOD(びーわいおーでぃー)

Bring your own device の略です。

基本的に本国をメインにした開発エンジニアでないと人権のあるPCを支給されないので、快適な環境で仕事をしたい場合は持ち込みのPCを使う事になります。

最近の ARM ベースの mac であれば会社支給 PC でも十分かもしれません。

フライホイール(ふらいほいーる)

ベソスが書いたとされる Amazon の成長を図にしたものです。

この図で世界中のだいたいの会社の成長を説明する事ができます。

や行

ユースケース(ゆーすけーす)

AWS の制限を上限緩和申請する際に求められます。

UTC(ゆーてぃーしー)

協定世界時の事です。

AWS のログ日付はデフォルトで UTCなので、AWSを使っていると UTCとJSTの変換が早くなります。

ら行

リージョン

AWS ではリージョン毎にシステムが分離されるように設計されています。

これにより、耐障害性と安定性が達成されます。

わ行

1way door 2way door(わんうぇいどあ つーうぇいどあ)

実行したらやり直しが効かない選択肢と、やりなおしが可能な選択肢という意味です。

全社会の際に新卒がジャスパーチャンに「1way door と 2way door の見分け方は?」と質問していましたが、入社数ヶ月でこんな社畜になれるのかと驚きました。

1on1(わんおんわん)

一対一の MTG の事です。通常は上司と部下が定期的に行います。

私が所属していた部署は、中途入社すると部署の全員と 1on1 を行うという謎の儀式がありました。

 

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