転職した友人から、「エージェント紹介しようか?」と言われた。
ちょっとうらやましい。でも、まだ本気で転職したいわけではない。
他社の年収は気になるけれど、「その経歴だと、ちょっと……」と言われるのも、グイグイ応募をすすめられるのも困る。
転職にエージェントは必須ではありません。
直接応募してもいいし、知人の会社を紹介してもらってもいい。
僕はこれまで、ヤフー、AWS、楽天、ベンチャー企業のCTOなどを経験してきました。
そのすべての転職活動で、転職サイトやエージェントを使いました。
ここでは、実際に使って役立ったエージェントを、注意点も含めて紹介します。情報収集から始めたい人向けに、スカウトや口コミサービスも取り上げます。
どんな会社・仕事を考えているかで、相談先を選ぼう
まずは、探したい仕事や今の目的に合うサービスを見てみてください。
| こんな人に | サービス | 特徴 |
|---|---|---|
| IT企業に限らず、幅広く探したい | リクルートエージェント | IT・Web業界に加え、小売・教育などのIT部門、情シス、ITコンサルも対象。業界最大級で、面接セミナーも提供。 |
| IT・Web業界で、エンジニア経験を活かしたい | レバテックキャリア | IT・Webに特化し、書類・面接対策も支援。関東・関西・東海・福岡の対象地域の人向け。 |
| 英語や経験を活かし、外資系に挑戦したい | エンワールド | 外資系の日本拠点・日系グローバル企業を中心に紹介。ハイクラス求人中心。 |
| 届く話から、転職の可能性を知りたい | リクルートダイレクトスカウト | 企業・エージェントからスカウトを受信。情報収集から始められる。 |
| 気になる会社の実情を調べたい | 転職会議 | 社員の口コミで働き方や評価を確認。業界・応募経路を問わず企業研究に使える。 |
エージェントが扱う求人には重なりもあるので、幅広く探す相談先と、気になる分野に詳しい相談先を組み合わせても構いません。
全部使いこなす試験はないので、気になるところだけどうぞ。ここからは、僕の利用経験を交えて紹介します。
リクルートエージェント|IT企業以外の仕事も、幅広く探したい人へ

【公式サイト】https://www.r-agent.com/
業界最大級。求人の選択肢を広く持てることが、選ぶ理由
リクルートエージェントは、幅広い業界・職種を扱う転職エージェントです。自社サービスや受託開発の会社に加えて、小売・教育などのIT部門、社内SE・情報システム、ITコンサルといった選択肢も視野に入れて相談できます。運営元の公式アプリ案内でも、業界最大級の転職エージェントとして紹介されています。公式アプリのサービス説明
公式サイトの表示は、公開求人約80万件、非公開求人約29万件。2026年8月30日時点の数字で、件数は求人票の枚数ではなく採用予定人数です。リクルートエージェント公式
求人の選択肢が豊富なのは、僕が利用したときにも感じた良さです。まだ本命が決まっていないときや、IT企業に限らず経験を活かせる仕事を探したいときに、まず幅広く候補を見る相談先としておすすめしています。
僕も年収1,000万円以上のオファーにつながってます。
リクルートエージェントは、僕が複数回の転職で利用してきたサービスです。楽天だけでなく、スタートアップのCTOへの転職、その後のスタートアップへの転職でも使っています。
僕の使い方は、まずここで幅広く候補を探し、ほかのサービスでも選択肢を補う、というものです。次に行く会社の名前が決まっていないときも、自分の経験や希望を話して、どんな求人があるかを知るところから始められます。
面接の通過率アップにつながった面接セミナー
リクルートエージェントで特に役立ったのが、面接セミナーです。僕は面接の前に、その動画を繰り返し見てイメージトレーニングをしていました。何回見たか分からないくらいです。
個人的には、このセミナーのために利用する価値があると感じたほどでした。求人を紹介してもらうだけでなく、面接に向けた準備にも活用していたサービスです。
これから利用する方も、受けられるセミナーや面接対策を確認してみるとよいと思います。
使う前に知っておきたいこと:応募が重なると、忙しくなりやすい
リクルートエージェントの公式案内では、転職支援の期間は面談から転職先が決まるまでの約3か月を目安としています。ただし、一律に3か月で終了するという意味ではなく、本人や求人の状況によって異なります。サポート期間についての公式案内
僕が使った印象では、担当者は優秀で、求人の選択肢もほかのサービスより多く感じました。一方で、短期間に複数の選考を並行して進めることになり、仕事をしながらだと忙しくなりがちでした。
早く転職先を決めたい人には、このスピード感が合うと思います。じっくり考えたい人は、最初に希望するペースを伝えておくとよいでしょう。応募数や面接日程を詰め込みすぎず、自分が準備できる範囲を担当者と相談するのがおすすめです。
直接応募やほかのエージェントも使っている場合は、応募済みの会社と経路を共有し、同じ求人への重複応募を避けましょう。別の経路で進めている選考について相談したい場合は、どこまで支援を受けられるか確認しておきます。
最初は、紹介される求人の多さに圧倒されるかもしれません。選考が進むと「あれ、いつ、どこの会社の面接だっけ?」となることも。でも、そのあたりの日程調整は担当のコンサルタントに頼れるので、安心です。
レバテックキャリア|IT・Web業界で、エンジニア経験を活かしたい人へ
【公式サイト】https://career.levtech.jp/
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実際に複数のIT企業からのオファーにつながりました
僕自身、レバテック経由でSmartHR、ウェルスナビ、マネーフォワードなどからオファーをもらっています
レバテックキャリアは、IT・Web業界に特化した転職エージェントです。IT・Web系エンジニアの経験があり、次の職場でその経験を活かしたい人の相談先になります。求人紹介に加えて、書類や面接の対策も受けられます。
求人を探すときは、使いたい技術だけでなく、任されたい役割や関わりたい事業も伝えてみてください。経歴書では、担当した仕事に加えて、何を判断し、何が改善したかまで書けているかを相談するとよいと思います。
僕自身の経験からも、書類を一人で完成させてから相談する必要はないと感じています。
オファー獲得につながった履歴書の修正
とは言っても最初から順調だったわけではありません。はじめは思ったように選考が進まない時期がありました。
そのとき、経歴書の修正に付き合ってくれたのがレバテックキャリアでした。やった仕事を並べるだけでなく、自分の判断や成果が伝わるように書き直す。すると、面接でも実績について具体的に話しやすくなりました。
僕にとっては、求人の紹介に加えて、自分の経験の見せ方を一緒に考えてもらえたことが大きかったです。
詳しい経緯は、経歴書を書き直して転職活動の流れが変わった話にまとめています。
使う前に知っておきたいこと:経験・希望分野・対象地域との相性を見る
この記事では、IT・Web系エンジニアの経験者で、以下の地域の方に向けて紹介します。
- 関東:東京・千葉・埼玉・神奈川
- 関西:大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山
- 東海:愛知・三重・岐阜
- 九州:福岡
未経験からIT業界を目指す場合や、ほかの地域・業界まで広く探したい場合は、希望に合う別の相談先も検討しましょう。
希望する分野が合うことに加えて、活動を進めるペースも大切です。僕の場合は、リクルートエージェントでの活動と比べて、自分のペースに合わせてもらえたと感じました。経歴書を大きく書き直す作業にも、しっかり付き合ってもらえたのが印象に残っています。
担当者や活動状況による違いはあると思いますが、僕には、準備を整えながら進められる支援が合っていました。
担当のコンサルタントと経歴書を詰めながら、「この人、かなり技術に詳しいな」と感じました。たくさんアドバイスをもらって、気づけば経歴書づくりが、僕とコンサルタントの初めての共同作業みたいになっていました。
エンワールド|外資系で、経験や英語を活かして働きたい人へ

【公式サイト】https://www.enworld.com/
僕は外資系の転職活動で、エンワールドも利用しています。外資系企業の日本拠点や日系グローバル企業で働くことを考えるときの相談先です。
高収入を目指すという観点では一番のおすすめ
やっぱり外資の魅力は年収が高いことです。
「外資系に行きたい」と思っても、どの会社の、どの職種で、自分の経験を活かせるかは別の話です。応募前に、仕事内容と求められる経験を確かめたいところです。
相談では、例えばこんな点を確認してみます。
- 今の経験を活かせる職種や求人があるか
- 仕事や選考で、どの程度・どんな場面の英語が必要か
- 書類で強調したい経験と、応募前に準備すべきことは何か
- 本命以外に、比較しておくとよい会社があるか
有名な企業だけに絞る前に、自分に合う仕事がどこにあるかを聞いてみる。そのための相談先として考えると、選択肢を広げやすいと思います。
部署や面接官のことを、事前に教えてもらえた
ある外資系企業の面接を受けたとき、エンワールドの担当者から、応募する部署の特徴や、そこで求められることを事前に教えてもらいました。
さらに、面接官がどんな立場の方で、どんな人柄なのかまで聞くことができました。
面接官とはもちろん初対面です。それでも、相手について何も知らずに臨む場合とは、気持ちが違いました。ほかの会社の面接と比べても、落ち着いて話せたと思います。
僕にとっては、こうした面接前の情報も、エージェントを通じて応募する良さの一つでした。
使う前に知っておきたいこと:希望と経験が合うかで、選択肢が変わる
外資系・日系グローバル企業を中心に扱うため、どんな転職にも幅広く使うというより、その方向に関心がある人向けの相談先です。希望する職種や、これまでの経験によっても、紹介される選択肢は変わります。
ただ、高収入を目指すという観点では、僕が利用した中で一番おすすめしたいのがエンワールドです。自分の経験を活かせる仕事があるか、そこでどんな条件を目指せそうかを相談してみる価値はあると思います。
やっぱり外資系は、年収に期待したくなります。求人を見ていると、英語の勉強にも急に身が入ります。
リクルートダイレクトスカウト|転職を決める前から、届く話を見てみる

【公式サイト】https://directscout.recruit.co.jp/![]()
経歴を登録して、興味のあるスカウトに反応する
リクルートダイレクトスカウトでは、経歴や希望を登録すると、企業やエージェントからスカウトを受け取れます。興味を持った相手に返信し、やり取りを進める仕組みです。
僕が登録したのは、ある金曜日の夜21時ごろ。その日のうちに4人、翌日の午前中にさらに3人のエージェントからメッセージが届きました。翌日の午前中までに、合計7人です。
当時は、週明けに届く分も見てから、気になるエージェントに連絡してみようと考えていました。自分から一社ずつ探すだけでなく、届いた話を見比べて相談相手を選ぶ、という使い方ができます。
これは僕が登録した当時の体験なので、届く数や早さは経歴や時期によって変わります。
経歴を登録してスカウトを待つという点では、ビズリーチと似た使い方です。リクルートダイレクトスカウトは、すべての機能を無料で利用できます。費用をかけずに、届いたスカウトを見比べたり、気になる相手とやり取りしたりできるので、まずは情報収集から始めたい人にも使いやすいと思います。利用料金についての公式ヘルプ
まだ転職を決めていないなら、最初は届いた仕事内容を見てみる。興味が湧いたら、今は情報収集の段階であることを伝えたうえで、話を聞いてみる使い方ができます。
求人を見て気になる会社ができたら、採用ページや社員の口コミも調べてみましょう。話を聞くうちに、自分から候補を探したくなったら、エージェントへの相談も組み合わせられます。
スカウトでは、何を見る?
最初に、企業からの連絡なのか、エージェントからの連絡なのかを確認します。企業ならその会社の仕事について、エージェントなら紹介したい求人や支援内容について聞くことになります。
そのうえで、仕事内容、期待される役割、働き方が自分の希望に近いかを見ます。自分のどの経験に興味を持ったのか分かると、話を聞くか判断しやすくなります。
スカウトが届いたことと、希望条件で採用されることは別です。話を聞き、条件を確かめる入口として使いましょう。新しい経験を積んだら、登録した経歴も更新しておくとよいと思います。
使う前に知っておきたいこと:届いた連絡を、全部追いかけなくていい
受け身で始められるのは楽ですが、経歴に関心を持つエージェントが多いと、いろいろな相手から連絡が届きます。全部に返信し、全部の面談を受けようとすると、かえって忙しくなるかもしれません。
仕事内容や条件を見て、今の自分に合いそうな話を選ぶ。合わない案内は受け流す。そのくらいの使い方でよいと思います。すでにやり取りを始めた相手には、希望する連絡頻度や、今は情報収集の段階であることを伝えておきましょう。
待っていればスカウトが来るので、楽だなと思っていました。ところが、いろんなところから連絡が来て、あれ? メッセージをチェックするだけで、想定外に忙しくなってきたぞ。
転職会議|気になる会社を、働く人の視点から調べる

【公式サイト】https://jobtalk.jp/
求人の探し方にかかわらず、企業研究に使う
エージェントから紹介された会社も、スカウトが届いた会社も、自分で見つけた会社も。候補になったら、そこで働く人が何を感じているかを調べたいところです。
転職会議では、社員・元社員による企業の口コミを確認できます。IT企業、日系企業、外資系企業のどこを検討するときも、企業研究の道具として使えます。
僕が特に見たいのは、年収や評価に関する情報です。提示された条件を考えるときにも、どんな役割がどう評価される会社なのかは気になります。
口コミから、面接で確認する質問を作る
点数だけで結論を出すより、自分が知りたいことを確かめる材料にするのがおすすめです。
| 気になった口コミの内容 | 面接で確認したいことの例 |
|---|---|
| 評価基準が分かりにくい | このポジションは、どんな成果で評価されますか? |
| 忙しい時期がある | チームの繁忙期と、負荷が増える場面を教えてください |
| 裁量が大きい | 自分で決められる範囲と、相談・承認が必要な範囲はどこですか? |
| リモートワークの記載がある | 配属予定のチームでは、実際にどのように出社していますか? |
投稿時期や職種、部署によっても事情は違います。自分が応募する仕事に近い情報かを見て、求人や面接で聞いた内容と照らし合わせましょう。
使う前に知っておきたいこと:ネガティブな声との付き合い方
僕が読んだ印象では、ネガティブな口コミも目につきます。退職した人や、会社への不満を持つ人の声に触れることもあるので、それだけで会社全体を判断しないようにしたいところです。
一方で、入社前に気になる現実を知れるのはプラスだと思います。良い話だけを聞いて入社してから驚くより、先に知って、自分には許容できることなのか考えられます。
悪い口コミを見つけたら、それだけで候補から外すのではなく、投稿時期や部署を確認し、面接で確かめたいことに変えてみてください。
他社の年収って、意外と知らないですよね。「へえ、この会社、こんなに給料がいいんだ」。あれ、自分が勤めている会社も、こんなに平均年収が高いの? ……僕の給料は? 「もう転職だ!」
相談しても、転職するかどうかは自分で決めていい
「話は聞いてみたい。でも、急かされたくない」。その気持ちは、相談するときにも伝えていいと思います。
まだ情報収集の段階ならそう伝え、気が進まない求人は断っても大丈夫。紹介してもらったからといって、全部受ける必要はありません。
会社の名前だけで、担当者との相性までは決まりません。希望を伝えても話がかみ合わないなら、無理にその人に合わせず、別の相談先を考えてもいい。気を使って転職した先で、また気を使いすぎていたら、何のための転職だったのか分からなくなります。
応募から内定、その後の判断までの流れを知りたい方は、初めての転職ガイドも参考にしてください。
友人には「ありがとう。まずは話を聞いてみようかな」と返してもいいし、もう少し自分で調べてもいい。相談したあとで、今の会社に残ると決めても構いません。
話を聞いて、「今の会社も悪くないな」と思えたら、それも収穫です。


