はじめに
転職活動に生成AIを使うというアイディア。誰もが思いつくと思います。ただ実際に試してみるのはどうなのか?やって意味あるの?という方も多いと思います。実際のところ、どうなんでしょう?
今日は「【生成AIで転職活動】僕の経歴書をAWSのソリューションアーキテクト用に修正してくれる?」というタイトルで実際に生成AIを使って実験をしていきたいと思います。
まずは、結論から言うと めちゃくちゃ使えます。
ということで今回は経歴書のチェックを生成AI(ChatGPT-4)にやってもらいました。
題材はこちらのサイトからサンプル経歴書をダウンロードして使ってます。オリジナルの経歴書を見たい方はどうぞ。
以下に実際のプロンプトとAIがどんな回答をしたかを書いていきます。
コピペで利用できるプロンプトのサンプルや、ChatGPTを使う際のコツなんかも書いておきますので、是非参考にしてください。
ChatGPTさん。僕の経歴書を改善して下さい。
まずはプロンプト
あなたは親切で優秀な転職エージェントです。以下の経歴書の改善点を指摘して、具体的な改善例を提案してください。[ここに経歴書をコピペ]
実はGPT-4からはファイルがアップロードできる仕様になっていますが・・・。なんとこれを使うとちゃんと経歴書をチェックしてくれません。いまのところコピペしたほうがちゃんと内容を確認してくれます。
ワードやエクセルの場合どうするか?
そのままコピペでOKです。今回はワード2ページですが、まるごとコピペして貼り付けて見ましたがちゃんと内容を理解してくれました。
で以下がその回答です。
この経歴書は、技術職における詳細なスキルセットとプロジェクト経験を記載しており、転職市場で有利な立場を築くための良い基盤を提供しています。しかしながら、いくつかの改善点があります。以下に改善点と具体的な改善例を提案します。
改善点と提案:
- 職務要約の強化:
- 現在の職務要約は経験の年数と役割を簡潔に述べていますが、キャリアのハイライトや成果をより強調することができます。
- 改善例: 「データセンターおよびクラウド環境におけるサーバ構築・監視とアーキテクチャ設計に6年の経験。特にAzureを利用した災害復旧プロジェクトでプロジェクトマネージャーとしての役割を担い、無事故・納期通りのプロジェクト完了に貢献し、社内表彰を受けるなど、実績を上げてきました。」
- 結果の定量化:
- プロジェクトの成果を数値や具体的な結果で示すことが重要です。これにより、ポテンシャルな雇用主は候補者の影響力をよりよく理解することができます。
- 改善例: 「AzureSiteRecoveryを使用した初導入プロジェクトで、既存システムとの完全な互換性を実現し、ダウンタイムゼロを達成。プロジェクトは予定より10%早く完了し、20%のコスト削減を実現しました。」
- スキルセクションの具体化:
- 技術スキルは列挙されていますが、どのようにこれらのスキルを使用してビジネス価値を提供したかの例が不足しています。
- 改善例: 「Windows PowerShellを使用して、複数の手動プロセスを自動化し、月間作業時間を30時間削減。」
- レイアウトと整理:
- 経歴書のフォーマットを見直し、情報の可読性を向上させることができます。特に、スキルと経験が混在しているため、見やすく整理することが重要です。
- 改善例: プロジェクトの詳細を表形式に整理し、技術スキルセクションを明確に分けて、専門技術を強調します。
- キャリアのハイライトセクションの追加:
- 成果やプロジェクトの成功を強調するための「キャリアのハイライト」セクションを追加すると、経歴書がよりインパクトを持つようになります。
- 改善例: 「2023年の大手機械メーカー向けDR環境構築プロジェクトでは、クラウド移行に伴うリスクを最小限に抑えるための戦略を立案し、実行しました。この戦略は業界内でベストプラクティスとして認識され、2つの業界賞を受賞しました。」
経歴書は個人のプロフェッショナルブランドを表現する重要なツールです。上記の改善点を取り入れることで、候補者の強みをより効果的にアピールし、転職市場での競争力を高めることができるでしょう。
ちゃんと具体的な文章まで作成(でっちあげ?)てくれます。正直中途半端な指摘よりもわかりやすいですよね。
ただ、数字等は勝手に作っちゃってるので必ず自分で修正しないとですね。面接官は意外とこういう数字に食いついて来ますからね。
AWSのソリューションアーキテクト用に修正できる?
これはプロンプトの例なんですが。
このレジュメを[会社名]の[ポジション名]のポジションに合うように修正する提案をしてください。
という感じで聞いてみると、それなりの答えが帰ってきます。
今回はこんな感じで聞いてみました。
このレジュメをAWSのソリューションアーキテクトのポジションに合うように修正する提案をしてください。
会社名やポジション名はご自身が実際に選考に進まれる条件に置き換えて見てください。
で、AIが返した答えは。
了解しました。アマゾンウェブサービス(AWS)のソリューションアーキテクトの職に応募するために、田中太郎さんの経歴を活かして履歴書を調整するための提案です。
ヘッダーセクション
- 連絡先情報: 電話番号とメールアドレスを含む連絡先のセクションを追加してください。
プロフェッショナルサマリー
- AWSに焦点を当てる: たとえ限定的であっても、AWSでの経験に焦点を当て、プラットフォームに対する知識があることを強調してください。
- 移行可能なスキルを強調する: AzureからAWSへのスキルの移行可能性に触れ、クラウドサービス間での柔軟性を示すことが重要です。
技術スキル
- AWSサービスのリスト化: EC2、S3、RDSなど、使ったことのあるAWSサービスをリストアップしてください。
- クラウド技術の幅広い知識: AWSだけでなく、Azureや他のクラウド技術に関する知識も記載し、幅広いクラウド環境での作業経験を示してください。
職務経歴
- 関連するプロジェクトの強調: AWSを使用したプロジェクトがあれば、それを強調してください。ない場合は、クラウドインフラストラクチャの設計や管理に関連する経験を強調することができます。
- 成果と成果指標: 各職務における具体的な成果や成果指標を記載してください。例えば、コスト削減、パフォーマンス向上、システムの安定性向上などです。
教育と認定
- AWS認定: AWS認定ソリューションアーキテクトや他の関連する認定があれば、それをリストアップしてください。なければ、取得を目指していることを記載すると良いでしょう。
- 継続的な学習: AWSやクラウド技術に関する継続的な学習や自己教育の努力を示すことができます。例えば、オンラインコースやワークショップへの参加情報です。
プロジェクトと実績
- 具体的なプロジェクト: AWSを使った具体的なプロジェクトを記載するセクションを追加してください。その中で、どのようにしてビジネスの問題を技術的に解決したかを説明してください。
- 技術とソリューションの説明: 使用した技術や開発したソリューションの詳細を記載してください。
参考文献
- 推薦者: 業界内での信頼できる推薦者をリストアップすることで、履歴書にさらに説得力を持たせることができます。
これらの提案を実行に移すことで、田中太郎さんのAWSソリューションアーキテクトへの応募書類がより魅力的になるでしょう。
おお!?そこそこいい感じで指摘してくれてるじゃありませんか!!!
オリジナルの経歴書はAzureの経験ばかり書いているものなんですが、「たとえ限定的であっても、AWSでの経験に焦点を当て、プラットフォームに対する知識があることを強調してください。」とか「AzureからAWSへのスキルの移行可能性に触れ、クラウドサービス間での柔軟性を示すことが重要です。」などはナイスな指摘です。
一方で、「AWS認定ソリューションアーキテクトや他の関連する認定があれば、それをリストアップしてください。」とか「AWSやクラウド技術に関する継続的な学習や自己教育の努力を示すことができます。例えば、オンラインコースやワークショップへの参加情報です。」などはいまいちオリジナルの経歴書にかかれていることが反映されてません。
まあ、十分参考にはなる内容なので、コピペ前提ではなく具体的なアドバイスだと思えばめちゃくちゃよい指摘ではあります。あと名前は「田中太郎」ではありません・・・。どっからこの名前出てきたんだー!!!
面接での自己紹介文も作ってほしい!
あと生成AIが得意なことといえば要約ですよね。自己紹介の文章を作ってもらいました。
プロンプトはこちら。
こちらの経歴書の情報から、面接で使える自己紹介文章を生成してください。
ちなみに、ここからGPT-4の制限に達してしまい、GPT-3.5で記事を書いてます。ごめんなさい。
面接で使える自己紹介文章を生成します。以下の文章を参考にしてください:
こんにちは、私は天美里太郎と申します。現在、株式会社テンミリでクラウドエンジニアとして活動しており、豊富な経験とスキルを持っております。
私の経歴は、データセンターでのサーバ構築・監視から始まり、その後クラウド事業部に異動してクラウドエンジニアとしての経験を積みました。最近のプロジェクトでは、大手機械メーカー向けにDR環境構築プロジェクトを成功裏に完了しました。このプロジェクトでは、災害対策のためにオンプレミス環境からクラウド環境への自動移行を実現しました。私は提案書の作成から要件定義、基本設計、詳細設計、そして実際の構築まで幅広い役割を担当し、プロジェクトの成功に貢献しました。
さらに、大手教育機関向けの学習データ連携プロジェクトでも活躍しました。このプロジェクトでは、学習アプリのテストデータを効率的に蓄積するためにAzureのAzure SQL Databaseを導入しました。私は商談活動から始まり、要件定義、基本設計、詳細設計、構築、テストまでの一連のプロジェクト活動をリードしました。
私の技術スキルに関しては、UNIX、Windows、Linux、Windows PowerShellなどのオペレーティングシステムに関する幅広い知識と経験があります。また、データベースとしてはOracleとPostgreSQLに精通しており、クラウドプラットフォームとしてはAzure、AWS、GCPに対応できます。さらに、プロジェクトマネジメントの経験も豊富で、スケジュール管理、コスト管理、進捗管理、人員管理などを行ってきました。PMPの取得を目指しており、プロジェクトの成功に向けて全力を尽くしています。
私の強みは、顧客折衝やエンドユーザーとのコミュニケーション能力です。ユーザーの意見を尊重し、一緒に最適な解決策を見つけることを大切にしています。また、技術指導においても、分かりやすい説明を心がけ、メンバーの協力意欲を高めるよう努力しています。
最後に、私は自己学習に熱心で、マルチクラウドのスキルを習得し、顧客に最適な提案ができるよう努力しています。IT勉強会に積極的に参加し、最新の情報を取得し、知識を深めています。
以上が私の経歴とスキルの概要です。どうぞよろしくお願いいたします。
おお!?これも、そこそこ使えそうな自己紹介を生成してくれました。このあたりは生成AIの真骨頂というところでしょうか。
経歴書をブラッシュアップするためのプロンプトサンプル集
上記も含めたプロンプト例を書いておきます。
- あなたは親切で優秀な転職エージェントです。以下の経歴書の改善点を指摘して、具体的な改善例を提案してください。
- このレジュメを[会社名]の[ポジション名]のポジションに合うように修正する提案をしてください。
- 履歴書に記載されている私の職歴を面接用に要約してください。
- 履歴書で自分の[特定のスキル]を強調したいと思っています。 どのように表現すればいいでしょうか?
- 前職での成果を強調するのにどのように表現すれば良いですか?
- 採用担当者を混乱させる可能性のある履歴書内の専門用語や複雑な言葉があれば指摘してください。
ChatGPTを使うときのちょっとしたコツ
実際にやってみていくつか注意点があるので以下に記しておきます。
- AIのキャラ設定
- 「あなたは親切で優秀な転職エージェントです。」のようにAI側のキャラを設定したほうがちゃんとレスポンスが帰ってきます。
- 欲しい情報を具体的に書く。
- 「改善点を指摘して、具体的な改善例を提案してください。」のように書かないと指摘だけして、実際の改善案を出してくれません。
- すでに説明してありますが、GPT-4でもファイルをアップロードするよりもコピペのほうがちゃんと文章を読んでくれます。
- 本来はチャットの流れで質問をしていったほうがAI自体がより精度の高い回答をしてくれるんですが・・・・。GPT-4は情報が増えてくるとやり取りが途中で止まっちゃいます。なのでGPT-4の場合は一つの質問をするために、都度新しいチャットをスタートさせて、経歴書ををアップロードしていました。このあたりは改善を期待したいですね。
- 上記の理由により、いろいろな質問をするのであればいまのところGPT-3.5のほうが使いやすいです。経歴書の改善提案をするぐらいでは、3.5と4でそこまで違いはないので通常は3.5の方を使って問題ないと思います。
オススメの転職エージェント
とまあ、ここまで生成AIを使った転職活動対策を書いてきましたが、いくら経歴書が上手にかけても肝心の求人が見つからなければ転職活動はできません。
より具体的なアドバイスや、自分に合った求人を見つけるには転職エージェントを使うほうが圧倒的に良いです。以下にオススメの転職エージェントを紹介しておきます。
エンワールド
【公式サイト】https://www.enworld.com/
まずオススメするのはエンワールド です。この転職エージェントはクラウドサポートエンジニアやソリューションアーキテクトの人を扱っています。
またエンワールド の特徴は以下です。
外資系転職専門の強み
実は、日系と外資で経歴書の書き方が違ったり面接対策が違ったりします。たとえば、日系の場合は経歴に関してかなり細かく網羅的に書くのが良しとされていますが、外資系の場合は短く簡潔に書くほうが好まれます。そんな外資転職の特徴も エンワールド であればノウハウがありますのでとても頼りになります。
AWS への転職に興味がある方は、エンワールド で無料カウンセリングを受けてみましょう!
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【公式サイト】https://www.geekly.co.jp/
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まとめ
さて、今日は「【生成AIで転職活動】僕の経歴書をAWSのソリューションアーキテクト用に修正してくれる?」というタイトルで時期を書いてみました。
「実際に使えそうだな」という感覚を持っていただけたのではないかと思います。
個人的にはこういったツールで完成度を上げている経歴書と、そうでないもので差がついてくると思いますし、なにより効率の面で圧倒的な違いがあります。
無料で使える生成AIも多くありますので、実際に皆さんの転職活動でも活かしていただければなと思います。
それでは、また!!!