効果的なチームとは何か?【心理的安全性】を理解する

働き方

はじめに

みなさんは「心理的安全性」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?過去、ニュースで話題になった事があるので、聞いた事がある方も多いと思います。

今回「心理的安全性」をちゃんと理解したいなと思い少し調べてみたので、その内容をブログに書いていきます。

具体的には「心理的安全性」というと「 Google が唱えている」と言うことを聞くので、こちらのサイトを読んでみました。

Google re:Work - ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る
Google のリサーチチームは、「心理的安全性を高めると、チームのパフォーマンスと創造性が向上する」ということを発見しました...

ここから先は、基本的に上記サイトのサマリーと僕なりの感想です。

「心理的安全性」とは?

ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー エドモンソン氏という人が提唱したそうです( Google じゃないんですね)。この方は、この概念を以下のように定義しています。

対人関係においてリスクのある行動をしてもこのチームでは安全であるという、チームメンバーによって共有された考え
また前述の Google のサイトでは以下のように解説しています。
「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。

エドモンドソンさんによる心理的安全性の説明

エドモンドサンの TED のスピーチはこちらです。

エドモンドさんは2つの医療機関で働いている8つのチームに対して、医療過誤とチームの相関関係を調査していました。

その8つのチームを医療エラー率で並べたところ、「より良いチームほど、多くのミスを犯している」という事に気づきました。

この統計情報はエドモンドさんの予測と真逆でした。

そこで、エドモンドさんは「良いチームは、問題が起きたときに それを解決するためのオープンな雰囲気を持っているのでは?」という仮説を立てます。

そこで、助手を雇いその検証をします。ただし、助手には何の調査をしているのか?さえ伝えていません。その助手にそれぞれにチームの調査をさせて、「オープン( Openness )なチーム順」に8つのチームを並べたところ、最初のエラー率の順と一致したという事です。

後に、エドモンドさんはこういったチームがもっている状態の事を「心理的安全性」と名付けました。

【心理的安全性】補足

■エドモンドソンの「4つの心理的安全性を損なう要因と特徴行動」

心理的安全性が低くなる原因として、4つの不安があります。

(1)無知だと思われる不安(Ignorant)
質問や確認をしたくても「こんなことも知らないのかと思われないか」と不安になり、その結果、気になることがあっても質問しづらくなってしまいます。

(2)無能だと思われる不安(Incompetent)
ミスや失敗した時に「仕事ができないと思われるのでは」と不安になり、自分の失敗や弱点を認めなかったり、ミスを報告しなかったりするようになります。

(3)邪魔をしていると思われる不安(Intrusive)
自分が発言することで「話の邪魔をしていると思われないか」不安になり、提案や発言をしなくなっていきます。

(4)ネガティブだと思われる不安(Negative)
改善を提案したくても「他の人の意見を批判していると否定的に捉えられるのでは」と不安になり、現状の批判をしなくなったり、意見があっても言わなくなったりします。

心理的安全性とは | 人材育成・研修・マネジメント用語集
「心理的安全性(psychological safety)」とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが自...

Google の心理的安全性の説明

Google は社内で「効果的なチームを可能とする条件は何か」という事を明らかにするためリサーチを実施しました。

チームの定義

前述のサイトで Google はまずチームの定義をしています。

Google のリサーチチームは、最も根本的なレベルとして「ワークグループ」と「チーム」の区別を試みました。

  • ワークグループ: 相互依存性が最小限という特徴があり、組織または管理上の階層関係に基づいています。ワークグループのメンバーは、情報交換のために定期的に集まる場合があります。
  • チーム: メンバーは相互に強く依存しながら、特定のプロジェクトを遂行するために、作業内容を計画し、問題を解決し、意思決定を下し、進捗状況を確認します。チームのメンバーは、作業を行うために互いを必要とします。

そこで Google のリサーチチームは、メンバー間の関係に高い相互依存性があるチーム(そのように自認しているチーム)に焦点を当てることにしました。

会社組織がワークグループでしかなく、チームになっていないという場合も少なくないと思います。

「効果的なチーム」とは何かを定義する

はじめは、書いたコードの行数、修正したバグの数、顧客満足度など、さまざまな指標を検討しましたが、どれも本質的に不完全ということで以下の4つの観点で測ることにしました。

  1. マネージャーによるチームの評価
  2. チームリーダーによるチームの評価
  3. チームメンバーによるチームの評価
  4. 四半期ごとの売上ノルマに対する成績

チームの効果性を測る為に最も重要な指標としてマネージャーが挙げたのは、売上高やサービスの立ち上げなどの「結果」でした。これに対しチームメンバーは、「チーム内の文化と風土」が最も重要であるとしています。チームリーダーの意見はちょうどその中間で、当事者意識やビジョン、目標など、大局的な問題と個人的な問題の両方を挙げていました。

リサーチチームは、定性的な評価と定量的な指標を組み合わせて使用することにしました。

効果的なチームに固有の力学を突き止める

その結果、リサーチチームは、真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めました。チームの効果性に影響する因子を重要な順に示すと次のようになります。

チームの効果性に影響する因子

また Google は、以下のうち圧倒的に重要なのが心理的安全性と言っています。

リサーチチームは、Google 社内のチームの効果性にそれほど影響していない変数も明らかにしています。

  • チームメンバーの働き場所(同じオフィスで近くに座り働くこと)
  • 合意に基づく意思決定
  • チームメンバーが外交的であること
  • チームメンバー個人のパフォーマンス
  • 仕事量
  • 先任順位
  • チームの規模
  • 在職期間

チームの規模は大きな意味をなしていませんでしたが、人数の少ないチーム(メンバーが 10 人未満のチーム)の方が人数の多いチームよりも成功しやすいと、多くの研究者が指摘しているそうです。

このあたりは Amazon の Two Pizza チームと似ていますね。

「心理的安全性を高める」には?

チームの効果性が高いチームに固有の 5 つの力学のうち、圧倒的に重要なのが心理的安全性です。

リサーチ結果によると、心理的安全性の高いチームのメンバーは、Google からの離職率が低く、他のチームメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用することができ収益性が高く、「効果的に働く」とマネージャーから評価される機会が 2 倍多い、という特徴がありました。

チームの心理的安全性を高めるために個人にできる簡単な取り組みとして、エドモンソンさんのスピーチから次の 3 点を挙げています。

  1. 仕事を実行の機会ではなく学習の機会と捉える。
  2. 自分が間違うということを認める。
  3. 好奇心を形にし、積極的に質問する。

チームがアクションを起こすことを手助けする

次に Google はチームの効果性を生み出し、育み、強化する為に取るステップとして以下を奨励しています。

1. 共通認識を持つ – 組織内で培いたいチームが取るべき行動や行動規範を定義します。

2. チームの力学について話し合う場を作る – 通常は話しにくい話題について、オープンに、そして建設的に話し合うための場を設けます。人事関連のビジネス パートナーやプロのファシリテーターに話し合いの場に同席してもらうことも考慮してください。

3. チームの強化と改善にリーダーを巻き込む – リーダーを巻き込むことにより、継続的な改善やモデル化を促します。

Google のサイトでは、その他にも効果的なチームに必要な振る舞いを促すために、マネージャーやリーダーができることへのヒント等も記載しています。

まとめ

今回は心理的安全性について書いてみました。Google が提唱したアイディアではなかったんですね。ただし、Google でも効果的なチームは心理的安全性が高いとのこと。

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