ヤフーで10年働いた。
プロジェクトリーダーになった。
マネージャーにもなった。
その経験を持って、AWSに転職した。
通用しなかった。
転職して間もないころ、アメリカから来た同僚との会議に参加した。
僕は、ほとんど一言も話せなかった。
英語だけの問題ではない。
僕は人の話を聞き、自分の順番を待っていた。
でも、誰も「君はどう思う?」とは聞いてくれなかった。
AWSでは、人の話を遮ってでも、自分から会話に入る必要があった。
待っているうちに、会議は終わった。
僕は会議に参加したというより、見学しただけだった。
ヤフーの正解は、AWSの正解ではなかった。
ヤフー専用のスーパー管理職になっていた
ヤフーでは、大規模サービスの開発と運用を経験した。
高可用性。
パフォーマンス改善。
障害対応。
複数チームでの開発。
普通の会社では、なかなかできない経験だった。
プロジェクトリーダーになり、マネージャーにもなった。
仕事は順調だった。
ただ、コードを書く時間は減った。
新しい技術にも、クラウドにも疎くなった。
その代わり、誰に話せばプロジェクトが進むのかは詳しくなった。
気づけば、エンジニアスキルより、サラリーマンスキルで仕事をしていた。
ヤフー専用のスーパー管理職。
高性能ではあった。ただし、ヤフー専用機だった。
その状態でAWSへ転職した。我ながら、なかなか勇気がある。
会社が変われば、仕事の正解も変わる
ヤフーでは、自分たちがサービスを作っていた。
何を作るか考え、計画し、改善する。
自分たちで仕事を前に進めることが正解だった。
AWSでは、お客様が仕事の主役だった。
困りごとを理解し、期待値を調整し、ときには苦情も受け止める。
正論を返せば解決するなら楽だった。
残念ながら、お客様はコンピューターではない。
どちらが優れているという話ではない。
仕事の種類と、求められる能力が違った。
ヤフーでは管理職だった。
AWSでは、ほぼチュートリアルからやり直しだった。
正直、撃沈した。
いまの会社を出ても、エンジニアとしてやっていけるか
でも、そこで初めて気づいた。
会社が求める自分と、なりたかった自分がすり替わっていた。
僕がなりたかったのは、会社の外でも価値を出せるエンジニアだった。
同じ会社で長く働くことが、悪いわけではない。
ただ、その会社の常識が、外でも通用するとは限らない。
無理に転職や副業をしなくてもいい。
大切なのは、ときどき自分に問うことだ。
今の会社を出ても、エンジニアとしてやっていけるだろうか。
AWSへの転職は、自分のキャリアを取り戻すために必要な失敗だった。
転職しなくても、自分の市場価値は確認できる
AWSへ転職するまでの話

AWSで働いて分かった、仕事内容と辞めた理由。

AWSの次にGoogleへ挑戦し、また撃沈した話。


