AWS運用監視の仕事はやめとけ?SREにつながるキャリアの選び方

AWS

「AWSエンジニアになりたいです」

いいですね。夢がある。

で、何をするんですか。

いや、意地悪で聞いているわけじゃない。「AWSエンジニア」という言葉は、なかなか便利なのだ。便利すぎて、肝心の仕事内容が見えなくなるくらいに。

AWSでシステムを設計・構築する人もいる。障害の原因を調べて改善する人もいる。アラートが鳴ったら、手順書に従って連絡する人もいる。

みんなAWSエンジニア。

でも、5年後に職務経歴書へ書けることは、たぶん同じじゃない。

運用監視は必要な仕事だ。ただ、これからエンジニアとしてキャリアを築く人に「監視だけやっていれば将来安泰です」とは、僕には言えない。言ったら後で恨まれる。

どうせAWSを使うなら、設計・構築や自動化、障害を減らす仕組みまで踏み込める仕事を選びたい。SREやDevOpsにつながる道だ。

大事なのは、AWSを使って何ができるようになるか。

この記事では、AWSで働いた経験のある僕が、AWSエンジニアの仕事と、後悔しないキャリアの選び方について書いてみたい。


ちなみに、AWSを使うエンジニアではなく、AWSジャパンという会社への転職に興味がある方は、「僕がAWSを辞めた理由」もどうぞ。元社員として、実際に働いて感じたことを書いています。

AWSエンジニアはやめとけ? 問題はAWSより仕事内容

「AWSエンジニアはやめとけ」と言われることがある。

でも、AWSそのものを避ける必要はないと思う。クラウドを使ってサービスを作ったり、動かしたり、改善したりする経験は、エンジニアの仕事にちゃんと役立つ。

問題は、「AWSの仕事」という看板だけでは中身が分からないことだ。

例えば、同じ「AWS運用」という求人でも、一方はシステムが止まっていないか監視し、異常があれば担当者に連絡する仕事。もう一方は、障害の原因を調べ、設定を直し、同じ障害が起きない仕組みを考える仕事だったりする。

どちらもシステムを支える大事な仕事。でも、経験できることは違う。

求人票の「AWS」「クラウド」という文字は、職務経歴書を勝手に強くしてくれる魔法の呪文ではないのです。

僕なら、運用監視だけの仕事は選ばない

運用監視の仕事を悪く言いたいわけじゃない。誰かが見守ってくれなければ、サービスは安心して動かせない。

ただ、アラートを見て、決められた相手に連絡するだけ。それ以上は契約上も権限上も何もできない。そんな仕事を何年も続けるのは、僕なら避けたい。

例えば、毎週同じ時間に同じアラートが鳴るとする。

「今日も鳴りました」と報告するのも仕事。でも、「そもそも、なぜ毎週鳴るんだろう」と調べたり、無駄な通知を減らしたり、根本原因を直したりする方が、エンジニアとして学べることは多い。

毎回アラートに起こされるくらいなら、アラートの方に静かにしてもらいたい。僕だって寝たい。

もちろん、最初は監視や手順書作業から始めてもいい。初めての現場でシステムの動きを知るのは、立派な入口だ。

大切なのは、その先に原因調査や改善へ進める道があるかどうか。運用監視が問題なのではなく、運用監視だけで終わってしまう環境が問題なのだと思う。

目指すなら、SREやDevOpsにつながる仕事

ここで出てくるのが、SRE(エスアールイー)やDevOps(デブオプス)という言葉。

カタカナとアルファベットが続いて、急に難しそうになった。大丈夫。今はざっくりでいい。

SREは、サービスを安定して動かすために、技術で仕組みを改善する考え方や仕事のこと。障害が起きたら直すだけでなく、起きにくくすることも考える。

DevOpsは、開発する人と運用する人が協力し、サービスを安全に、素早く改善していく考え方だ。

例えば、こんな仕事につながっていく。

  • 障害の原因を調べて、再発しないようにする
  • 手作業でやっている設定変更やデプロイを自動化する
  • 開発チームと相談しながら、システムを壊れにくくする

僕は、特に自社サービスを育てる事業会社のSREという仕事が魅力的だと思っている。目の前の作業だけでなく、サービスを長く良くしていくことに関われるからだ。

ただし、未経験からいきなりSREになれるとは限らない。最初はAWSの構築や運用を経験し、少しずつ調査や改善を任される。そんな進み方でも十分だと思う。

最初からSREという肩書きが欲しいのではなく、SREにつながる経験を積みたい。そこを間違えなければいい。

初心者なら、最初から難しい道具の名前を全部覚える必要もない。小さなシステムを作ってみる。動かなかった理由を調べる。同じ作業を繰り返さずに済む方法を考える。そんな一歩が、あとで仕事につながっていく。

資格の勉強も役立つ。でも、資格を取っただけで障害が勝手に直るわけじゃない。AWSもそこまで面倒は見てくれない。

AWSの求人で、確認したい3つのこと

では、これからAWSエンジニアを目指すなら、どんな求人を選べばいいのか。

求人票の専門用語を全部理解できなくてもいい。僕なら面接やエージェントとの面談で、この3つを聞いてみる。

  1. 「監視以外に、どんな仕事を担当できますか?」
    アラート確認と連絡だけなのか。AWSの設定変更やシステムの構築にも関われるのか。担当範囲を聞く。
  2. 「障害の原因調査や、再発防止にも参加できますか?」
    問題が起きた後に調べたり、仕組みを直したりできる職場なら、運用経験が次の成長につながる。
  3. 「入社して1〜2年後、どんな仕事を任せてもらえますか?」
    最初は監視からでもいい。その後に設計、構築、自動化などへ進めるかが大事だ。

ついでに、夜間・休日の呼び出しがあるなら、頻度と当番の人数も聞いておこう。成長できる仕事でも、寝る時間がなくなったら元も子もない。

もし「AWS案件です。詳細は配属後に決まります」としか答えてもらえないなら、少し慎重になった方がいい。どんな仕事をするか分からないまま、キャリアだけを先払いする必要はない。

「AWSに触れますか?」だけではなく、「AWSを使って何を経験できますか?」と聞いてみる。これだけで求人の見え方はかなり変わるはずだ。

まとめ|AWSを使って、何ができる人になるか

AWSエンジニアになるのを、やめる必要はない。

ただ、AWSという名前に安心して、仕事内容を見ずに転職するのはおすすめしない。

運用監視から始めてもいい。そこから原因を調べ、仕組みを改善し、設計や自動化へ仕事を広げていけるなら、十分に価値のある経験になる。

AWSにはオートスケーリングという便利な機能がある。残念ながら、エンジニアの市場価値までは自動でスケールしてくれない。

大事なのは、AWSを使って何ができるようになるか。

求人票だけでは仕事内容が分からない場合は、エージェントに実際の担当範囲や、入社後に経験できる仕事を確認してもらうのも一つの方法だ。IT・Web系のエージェントの選び方は、「エンジニア向け転職エージェント比較」にまとめている。